お気に入りで買ったブランドバッグや時計。
数年後、あまり使わなくなって「もう手放そうかな」と思ったとき、あなたはこう感じたことがあるかもしれません。
「これ、いくらで売れるんだろう?」
「損しないで売るには、どのブランドがいいんだろう?」
そんな疑問にしっかり答えるのが、この記事です。
近年のハイブランド市場では、ただの“中古品”ではなく“価値ある資産”として再評価されるアイテムが増えています。中には、買った時よりも高く売れるブランドも存在するほど。
つまり、賢く選べば、ブランド品は“持つ楽しみ”と“リターン”を両立できる時代なのです。
本記事では、
2025年現在の市場動向を踏まえながら、
- リセール価値が高いハイブランドランキングTOP5
- 既に持っている人向けの「高く売るための戦略」
- よくある不安や疑問への回答
をわかりやすくまとめています。
“もう使わない”ではなく、“次に活かす”という選択。あなたのクローゼットにも、眠っている“資産”があるかもしれません。
【第1章】リセールとは?ブランド品が“資産”になる時代の価値観
「もう使わないから売る」──そんな軽い感覚から始まった中古市場は、今やひとつの“経済圏”を築くまでに拡大しています。
とくにハイブランドのアイテムは、「使うモノ」から「育てる資産」へと価値が変化しています。
きっと、あなたの「持ち物」に対する見方が変わるはずです。
売った瞬間に得をする?
リセールというもうひとつの選択肢
「使ったのに、買ったときより高く売れた」──そんな話、信じられるでしょうか?

けれどこれは、今のハイブランド市場では珍しいことではありません。
かつてはブランド品を手放すことは「手放す=損失」と捉えられていました。でも今は違います。リセールとは「使って終わり」ではなく、「価値を活かして次につなげる行動」なのです。
この背景には、単なるフリマアプリの普及だけではなく、モノの価値を再評価する動きがあります。
気軽に売れる時代になった今、「どうせ売るなら高く売れるものを選びたい」「価値を落とさずに使いたい」という意識が強まっているのです。
そしてその結果、ブランド品は「自分の満足のために買う」だけでなく、「資産として価値を残すために持つ」という考え方へと進化しています。
特にSNSや口コミを通じて、「このバッグ、使って3年経ったけど2万円高く売れた」というような具体的なストーリーが身近になり、消費と資産運用の境目が曖昧になってきているのです。
“使ったあとが本番”──それが、今のブランド品に求められる新しい価値観なのかもしれません。
なぜ今リセールが注目されているのか?インフレ・投資・Z世代の影響
ここ数年で、ブランド品の「売れる理由」が大きく変わりました。

一昔前なら「流行が終わったから」「もう使わないから」といった消極的な理由が多かったかもしれません。でも今、リセールを選ぶ人たちはもっと“戦略的”です。
背景にあるのは、経済の不安定さ・物価の上昇・そして世代の変化です。
新品価格の高騰が続くなかで、過去に買ったアイテムが“結果的にお得だった”という状況が起こっています。
たとえば、5年前に40万円で購入したバッグが、現在の新品価格では60万円になっていることも珍しくありません。
その結果、「中古でもいいから、今のうちに手に入れたい」と考える人が増え、リセール市場の価格も上昇しているのです。
次に、投資的な視点を持つ人が増えていることも見逃せません。
株や仮想通貨と違って、ブランド品は実物があり、かつ楽しみながら所有できるという安心感があります。「使える投資先」としてブランドアイテムを買う人が増えているのは、今の時代の特徴です。
そしてもうひとつ大きな変化。
それが、Z世代の参入です。
彼らは“持つこと”そのものより、“循環させる”ことに価値を置く傾向があり、「売ること前提で買う」ことにためらいがありません。
SNSでは「このバッグ、数年使っても売れるよ」といった情報が飛び交い、リセールは“賢い消費”としてポジティブに語られるようになりました。
これらの流れが合わさって、リセール市場は「使い終わったら売る」から、「価値を読みながら買う」へと変化しました。
買い物はもはや終点ではなく、“循環の起点”。 そう考える人が確実に増えているのです。
【第2章】2025年版|リセール価値が高いハイブランドランキングTOP5
「いざ売るとき、一番高く売れるブランドってどこ?」そんな疑問にズバリ答えるのが、このリセールランキングです。

ここでは、2025年の最新市場データと動向をもとに、リセール価値(=中古価格の強さ)に優れた5つのハイブランドをランキング形式で紹介します。ただの人気順ではありません。「売ったときに本当に得をするかどうか」にフォーカスした、実利重視のセレクションです。
ブランドアイテムを買う前の参考としてはもちろん、今すでに持っている人にとっても、価値を再確認できる指標になるはずです。
それではさっそく、
第1位から見ていきましょう。
第1位:エルメス(Hermès)|“価値が上がるバッグ”という別格の存在

特にバーキンやケリーは、中古でも定価以上で売れることが多く、まさに“持つ資産”として扱われています。
最大の理由は、極端に抑えられた流通量と購入難易度の高さ。
誰でも簡単に買えないからこそ、希少性が保たれ、中古市場でも需要が途切れないのです。購入には店舗との信頼関係や過去の購入実績が必要とされるため、“入手済み”という事実自体が一種の価値になります。

さらに注目したいのは、新品価格が年々上がっている点。これにより中古価格も連動して高騰。状態の良いモデルは1.2〜1.5倍以上での取引も珍しくなく、長期保有による価値上昇も見込めます。
近年では、バーキンだけでなくケリーの人気が急上昇中。より小ぶりでエレガントなデザインが若い世代にも支持され、再注目を浴びています。
「持つことで安心できる」──そんなブランドは多くありません。
エルメスは今や、バッグではなく“信頼できる資産”として評価されているのです。
第2位:ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)|定番とコラボの二刀流
ルイ・ヴィトンがリセール市場で強い理由は、「誰でも知っていて、誰でも欲しいブランド」だから。

定番のモノグラム柄は世代やトレンドを超えて支持され、特にネヴァーフルやスピーディは中古でも7〜8割の価格を維持しています。
村上隆や草間彌生とのコラボは、今やアートピースとして扱われることもあり、元値の2〜3倍で取引される例も珍しくありません。
定番モデルとコレクターズアイテムの“二刀流”が、ブランド価値の幅を広げています。

また、ヴィトンはLVMH傘下のブランドでもあり、マーケティングや価格戦略が非常に巧妙です。毎年少しずつ値上げされることで、中古品の相場も安定して上昇。「持っていて損をしにくい」ブランドとして評価が高まっています。
一方で、使用感が目立ちやすいモデルやカラーはリセールに差が出ることも。だからこそ、定番・人気カラーのアイテムはとくに安定した価値を保ちやすいと言えるでしょう。
“誰もが知っていて、誰もが欲しがる”──それが、ルイ・ヴィトンが2位に選ばれる理由です。
第3位:シャネル(Chanel)|値上げ戦略が生むリセールの波
シャネルのリセール価値は、ここ数年で目に見えて上昇しています。

クラシックフラップバッグなどの定番モデルは、ここ10年で2〜3倍に値上がりしており、中古価格もそれに引きずられるように上昇中です。
特に人気なのが、ブラック×ゴールド金具のクラシックライン。“ヴィンテージシャネル”としての価値も加わり、コレクターや海外需要の影響でリセール市場でも高評価をキープしています。
シャネルのバッグは一見シンプルでも、実はきわめて“ブランドらしさ”が強い。ツイードやキルティング、ココマークといった意匠が、長年にわたってアイコンとして成立しており、“時代を超えるデザイン”が価値を支えているのです。

さらにシャネルは、「持っている人=選ばれた感」があるブランドでもあります。つまり所有者側の満足度が高いため、中古市場に出る数が少なく、結果的に価格が下がりにくい。
値上げが加速する今こそ、「昔買ったシャネルが今ならいくらになるか」を見直すタイミング。
気づかぬうちに、あなたのバッグは“立派な資産”に育っているかもしれません。
第4位:ディオール(Dior)|Z世代とヴィンテージで急浮上
かつて「中堅ブランド」の位置にいたディオールは、ここ数年でリセール市場の主役に躍り出ました。

その理由のひとつが、サドルバッグの復刻ブーム。90年代に人気だったあの独特な形状が、Z世代を中心に再評価され、中古市場で数万円以上の値上がりを見せるようになったのです。
さらに、ディオールはInstagramやTikTokといったSNSとの相性が抜群。アイコニックなデザインと、現代的なスタイリングの融合により、“人と被らないヴィンテージ”を探す層の需要に応えるブランドとして人気を伸ばしています。
また、リセール市場では“流行に左右されやすい=不安定”と思われがちですが、実はディオールは「流行が回ってくるブランド」として息が長い。1990年代のジョン・ガリアーノ期のバッグは、2020年代に入り“投資対象”として再脚光を浴びています。
若い世代が価値を見直して再購入し、さらに次の流行を作っていく──
そんな“リセールで再生産されるブランド価値”が、今のディオールを支えているのです。
第5位:ロレックス(Rolex)|時計=持ち歩ける投資商品

特にサブマリーナーやデイトナといったスポーツモデルは、正規店で手に入れるのが困難なほど人気が集中しており、中古市場でも高値で取引されています。
2024年には、一部モデルが新品価格に対して1.4〜1.6倍での売却に成功した例もあり、リセールというよりも「投資」として語られることが増えてきました。
この背景には、ロレックスならではの“完成されたモデル設計”があります。
デザインはほとんど変わらず、定番であること自体が価値。さらに年式ごとの違いや市場流通量が細かく把握されており、まるで株式のように“価格が読める商品”でもあるのです。
また、時計ジャンルの中では抜群の信頼性と耐久性を誇り、「一生使える」という安心感も魅力。
中古であっても保証書や箱があれば、新たな所有者にとっては“価値ある買い物”として成立します。
ロレックスはただの高級時計ではありません。それは“時間と共に価値が積み重なる資産”なのです。
補足
※なお、今回のランキングでは、グッチやプラダなどの人気ブランドも検討対象に含めました。
ただしリセール市場における価格安定性や平均落札額を比較した結果、短期的トレンドに左右されやすい側面があることから、今回は選外としています。
特定のモデル(例:グッチのホースビット1955など)は確かにリセールで強さを見せていますが、全体的な再販力の安定性という観点で、上位5ブランドを優先しました。
【第3章】ブランド品を高く売るには?所持者向け・リセール戦略ガイド
「せっかくなら少しでも高く売りたい」──
ブランド品を手放すとき、多くの人がそう思います。でも実際に査定に出すと、「思ったより安い…」とがっかりすることも少なくありません。
実は、ブランド品のリセール価格は“売り方次第”で大きく変わります。
「今すぐ売るべき? それとももう少し待つ?」そんな迷いを抱えている人こそ、ここで一度立ち止まって、“損をしない手放し方”を考えてみてください。
売却タイミングはいつがベスト?高値がつきやすい時期とは

ブランド品を高く売るには、「どこで売るか」よりもまず「いつ売るか」が肝心です。実は、リセール市場にも“旬”や“波”があることをご存じでしょうか?
もっとも需要が高まりやすいのは、1月〜3月(新生活・ボーナスシーズン)と6月〜7月(夏の買い替え期)。
この時期は「新しいバッグが欲しい」「時計を買い替えたい」というニーズが増え、中古市場も活発になります。
また、ブランドの価格改定(値上げ)直後もチャンス。たとえば、シャネルやルイ・ヴィトンなどが定価を引き上げたタイミングでは、「中古でもいいから早く欲しい」という需要が一気に高まります。新品の高騰が中古価格を引き上げるのです。
もうひとつ見逃せないのが、
トレンドと市場の“熱”。
SNSや芸能人の影響で急に注目度が高まるモデルがあり、そのときに合わせて売ると想像以上の価格がつくこともあります。
大切なのは、「使わなくなったらすぐ売る」のではなく、少し様子を見て、“買い手が動く時期”を狙って手放すこと。
売る側の“都合”ではなく、市場の“タイミング”を読むことが、賢い売却の第一歩です。
高く売れるブランド品の特徴|カラー・素材・モデル選び
「同じバッグなのに、なんでこんなに査定額が違うの?」リセール市場では、ブランド名だけでなく“ディテール”が価格を大きく左右します。

カラー
まず注目すべきはカラーです。
圧倒的に人気なのは、やはりブラック・ベージュ・グレーなどの定番カラー。
これらは季節や年齢を問わず使えるため、中古市場でも回転が早く、高値で売れやすい傾向にあります。
逆に、パープルやオレンジなど個性的なカラーは好みが分かれるため、需要が限られ査定額が下がることも。
素材
次に素材。たとえばエルメスの「トゴ」レザーや、シャネルの「キャビアスキン」は、傷がつきにくく扱いやすいため人気があり、長期的に価値が落ちにくい素材として評価されています。
一方で、スエードや布系のアイテムは汚れやすく、状態次第で大きく価格が変動します。
モデル選び
さらにモデル選びも重要です。各ブランドには「安定して売れる鉄板モデル」が存在します。
たとえば、ルイ・ヴィトンならネヴァーフル、シャネルならクラシックフラップ、ディオールならサドルバッグ。
こうした“王道モデル”は中古でも需要が高く、モデルチェンジが少ない分、長期間にわたって価格が安定しています。
つまり、ブランドを選ぶだけでなく、「どういうアイテムを選ぶか」が、将来のリセール価値に直結するのです。
“自分が使いたいもの”と“人に売れるもの”──その2つを意識して選ぶ目が、のちの後悔を減らしてくれます。
保管・メンテナンスが価格を左右する|長持ちさせるコツ
リセールの世界では、「どんなブランドか」以上に「どんな状態か」が価格を決める最大の要素になります。

まずは保管環境。
高温多湿を避けるのは当然ですが、意外と多い失敗が「そのままクローゼットに詰め込む」こと。バッグは自立していないと型崩れしやすく、使わない間に中がぺしゃんこになってしまうこともあります。
おすすめは、紙やエアパッキンを入れて立体的に保ち、不織布の袋に入れて棚に収納すること。 また、革製品は乾燥しすぎてもひび割れの原因になるため、加湿器や湿度調整剤を併用して、50〜60%前後の湿度を保つのが理想的です。
次に、定期的なメンテナンスも欠かせません。
使い終わったあとに柔らかいクロスで拭く、レザー用の保湿クリームをたまに塗るといったちょっとした手間が、見た目と手触りを大きく左右します。 金具の曇りや傷も査定に影響するため、使わないときほど“丁寧に触れる”ことが大切です。
また、付属品の保管も忘れずに。
箱・保存袋・保証書などが揃っていると、それだけで査定額が5,000〜20,000円アップすることも。とくにロレックスなどの時計では、ギャランティカードがあるかどうかで信頼性が大きく変わります。
「大事に使っていたこと」が伝わるだけで、買い手の印象はグッと良くなる。
売る予定がなくても、手元にあるモノを丁寧に扱う姿勢が、いずれ未来の自分を助けてくれるのです。
【第4章】ブランド品のリセールQ&A|初心者が気になる疑問を解決

ブランド品を売るのが初めてという方からよく寄せられる質問を、ここでピックアップしてまとめました。
ちょっとした不安や勘違いを、ここでしっかり解消しておきましょう。
Q. 保存袋・箱がないと売れませんか?
A. 売れます。
ただし、あった方が高く売れます。
保存袋や箱がない場合でも買取自体は可能です。ただし、査定額が3,000〜20,000円程度マイナスになることがよくあります。特に時計やジュエリーなど高額商品では、付属品の有無が信頼性に関わるため、影響は大きめ。
できるだけ購入時の状態に近づけることで、高値売却が狙えます。
Q. 査定前にやるべきことってありますか?
A. 軽く清掃し、付属品をそろえておくのがベストです。
表面をやわらかいクロスで拭く、内部をホコリ取りする程度の簡単なお手入れでも印象が変わります。
また、購入時のレシート・保証書・付属のストラップなどが揃っていれば、「丁寧に使ってきた」ことが伝わり、査定評価が上がる傾向にあります。
Q. 偽物と疑われないか心配です…
A. 正規店購入の証明があれば安心です。
ギャランティカードや購入証明書、ブランド直営店のレシートなどがあると、査定スタッフが真贋判断をしやすくなり、結果的にスムーズに進みます。
万が一証明がなくても、鑑定士の目利きで本物と判断されることもありますが、やはり“証拠”があると安心度が段違いです。
このように、ちょっとした工夫や準備だけで、査定額にも気持ち的にも差が出るのがリセールの世界。わからないままにせず、一つひとつ疑問を解決しながら進めましょう。
【第5章】ハイブランドリセールバリューランキングまとめ
ブランド品を手にするという行為は、単なる「贅沢」ではありません。それは、自分の目と感性で“価値あるモノ”を選ぶ力の表れでもあります。
今の時代、モノはただ消費されるだけでは終わりません。使って、楽しんで、そしてもう一度価値として循環させる──
リセールはそんな“モノの第2の人生”をデザインする行為でもあるのです。
今回紹介したように、エルメスやロレックスなどは、手にした時点で資産としてのポテンシャルを持っています。
でも、本当に大切なのは「どのブランドか」よりも、「どう扱い、どう活かすか」。あなたのクローゼットには、まだ価値に変わる可能性が眠っているかもしれません。
トレンドに流されることなく、“長く愛せるモノ”を選ぶこと。それが、未来の自分にとって、最もやさしい投資になるのかもしれませんね。